PT Exam Lab 解説ページ

高次脳機能検査や認知機能検査の基準値やカットオフ値、解釈について解説していきます!

全般的認知機能検査(現在5種類:詳細を更新中‥)

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・Mini-Mental State Examination(MMSE)


 簡易的な知能検査です。見当識・記銘・計算・注意把持・構成能力・書字・読解・理解力など評価する。0点から30点満点の検査であり、正常範囲は24点以上(感度81%、特異度89%)

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26052687

MMSE:21-23点は軽度、20-11点は中等度、10-0点は重度と判定する。 

 

MMSEに近い検査に、改定長谷川式認知機能検査(HDS-R)がある、この検査も30点満点の検査であるが、20点以下で認知症疑いという解釈である(感度93%、特異度86%)。

https://ci.nii.ac.jp/naid/10011547143 (有料)

しかし、21点以上あってもリバーミード行動記憶検査(RBMT)では記憶障害となる場合がある。

 

 

・ウェクスラー成人知能検査第3版(WAIS-Ⅲ)


一般的な知能検査法である。言語理解では、言語的知識・言語的推理、知覚統合では非言語性流動性推理・詳細な部分への注意・視覚運動、作業記憶では短時間情報保持と処理・視覚情報の処理速度能力が測定される。

WAIS-Ⅲの基準値

     IQ69以下:知的障害

     IQ70-79:境界域

      80-89:平均の下

      90-109:平均

  110-119:平均の上

  120-129:高い

  130以上:非常に高い

詳細は以下の参考書でご覧下さい。

https://www.nichibun.co.jp/kensa/detail/wais3.html

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・Mini-Cog

 この検査は、3語の即時再生と遅延再生と時計描画を組み合わせたスクリーニング検査であり、2点以下が認知症疑いである。

Mini-Cogの認知症に対する感度は76-99 %、特異度は83-93 %である。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=Borson+S++J+Am+Geriatr+Soc+51

この検査の方法と検査用紙

http://mini-cog.com/wp-content/uploads/2018/03/JAPANESE-Standardized-Mini-Cog-1-19-16-JP_v1.pdf

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・MoCa-J

Japanese version of MoCAはMoCa-J(モカジェ-)と呼ばれている。

視空間・遂行機能、記銘、記憶、注意力、復唱、語想起、抽象概念、遅延再生、見当識を検査する。MoCa-JはMCI(軽度認知障害)をスクリーニングする検査25点以下をMCIと判断する(感度93%、特異度87%)。

MoCa-Jの引用文献

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20141536

日本で行われた研究ですが、対象者が少ないです。

アルツハイマー病30人、MCIが30人、正常者が36人ですからね。

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