注意・集中機能検査
標準注意機能検査;CAT、標準意欲評価法;CAS
略称:CATS
CAT:
①数唱と視覚性スパン ②抹消・検出検査、視覚性抹消課題と聴覚性検出課題
③Symbol Digit Modality Test (SDMT) ④記憶更新検査 ⑤Paced Auditory Serial Addition Test (PASAT) ⑥上中下検査 ⑦Continuos Performance Test (CPT)の7つの下位検査で構成されている。
CAS:
①面接による意欲評価スケール ②質問指標による意欲評価スケール
③日常生活活動の意欲評価スケール ④自由時間の日常行動観察 ⑤臨床的総合評価の5つの評価項目がある。
このCATSはその他の検査法とことなりトータルスコアとして何点というような結果で評価しない。
このような図表をつくることで各項目の評価をする。
参考になる論文:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/hbfr/26/3/26_3_310/_pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/hbfr/26/3/26_3_310/_pdf
行動性無視検査;BIT
半側空間無視(USN)の評価によく使用される。
日本語版BIT:通常検査
①線分抹消検査 ②文字抹消検査 ③星印抹消検査 ④模写試験 ⑤線分2等分試験
⑥描画試験
日本語版BIT:行動検査
⑦写真課題 ⑧電話課題 ⑨メニュー課題 ⑩音読課題 ⑪時計課題 ⑫硬貨課題
⑬書写課題 ⑭地図課題 ⑮トランプ課題
カットオフ値:
①線分抹消検査 :34点
②文字抹消検査 :34点
③星印抹消検査 :51点
④模写試験 :3点
⑤線分2等分試験:7点
⑥描画試験 :2点
合計 :131点
⑦写真課題 :6点
⑧電話課題 :7点
⑨メニュー課題:8点
⑩音読課題 :8点
⑪時計課題 :7点
⑫硬貨課題 :8点
⑬書写課題 :8点
⑭地図課題 :8点
⑮トランプ課題:8点
合計 :68点
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遂行機能検査
線引きテスト;Trail Making Test: TMT
有名な検査だから方法は解説しないですよ。
Part Aは大脳基底核性の注意力、後頭葉性の視覚的探索力、後頭頭頂葉性の視覚-運動機能の障害を把握するのに有用でしょう。
Part Bは前頭葉背側外側の転換能力を把握するのに有用。
検査に要した時間で評価した場合、
Part A ÷ Part B = 3.0以上 であればPart Bの障害として転換機能の障害を示唆する。
検査の標準時間の論文
ちなみにこちらが↑の論文の年齢別基準値です。
検査中の様子も観察することが必要です。
遂行機能障害の行動評価;BADS
日常生活上の遂行機能に関する問題点を検出することを目的に考案されたもの。
著作権があるのでたくさん記載することは出来なさそうです。
総プロフィール得点は0-24点満点で評価
100点満点のパーセンタイルに変換した値もある
障害あり / 境界域のカットオフ値:
総プロフィール得点:11点 / 12点
標準化得点 41歳-65歳 :68 / 73
標準化得点 65歳~ ::69 / 74
著作権の侵害の危険がありますが以下のサイトで詳しく書いています
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前向性記憶機能検査(更新中)
改訂版ウェクスラー式記憶検査(WMS-R)
記憶の各側面を評価出来る。
45分 ~ 60分と時間を要するのも特徴です!
言語性記憶、視覚性記憶、注意、集中力、記憶把持能力(遅延再生)で算出できる評価法です。
構成要素
情報と見当識/精神統制/図形の記憶/論理的記憶I/ 視覚性対連合I/言語性対連合I/視覚性再生I/数唱/ 視覚性記憶範囲/論理的記憶II/視覚性対連合II/言語性対連合II/視覚性再生II
基準値:
130以上:最優秀
120-129:優秀
110-119:普通上位
90-109:普通
80-89:普通下位
70-79:境界域
50-59 :軽度記憶障害
50未満:中等度-重度記憶障害
認知症患者の場合は抑うつ感や、易怒性を引き起こしてしまう可能性があるので自尊心を傷つけないように留意しましょう。著作権があるので注意
WMS™-Rウエクスラー記憶検査 | 検査詳細 | 心理検査 | 日本文化科学社
三宅式言語記銘力検査
正式名称:東大脳研式記銘力検査
聴覚性言語性対連合記憶の検査である。
簡単に方法解説します
有関係対語の系列,無関係対語の系列ともに,それぞれの対語の一方をゆっくりとしたペースで読み上げて聴覚的に提示し,10対分の提示が終わったら,先程読み上げた語を再度読み上げ,その語と対をなしていたもう一方の語を答えさせるという作業を3回反復するというものである。
認知症患者では有関係対語の成績が悪く、無関係対語での学習が乏しい。
適応年齢は、16歳から84歳であり基準値も明確である。
↓基準値↓
https://ci.nii.ac.jp/els/contentscinii_20170624144329.pdf?id=ART0008386328
ベイトン視覚記銘検査
視覚的な記銘力検査である。
簡単に方法を解説
A. 図を10秒程度提示し、直後に再生描画させる。
B. 図を5秒程度提示し、直後に再生描画させる。
C. 図を模写させる
D. 図を10秒間提示し、15秒後に再生描画させる
(制限時間はない)
難聴や言語障害のある患者でも実施しやすく、モチベーションが低くても拒否が少ないのが特徴。
↓日本の標準値の文献↓ 年齢別の成績はpdf.280 pageあたりから始まります。
https://ci.nii.ac.jp/els/contentscinii_20170514201609.pdf?id=ART0008387548
レイ複雑図形(ROCF)
高次脳機能障害患者の視空間認知再構成機能や視覚記憶機能の簡易な評価法として使用されている。36点法で採点される。
↓日本の基準値の論文↓ 有料です。
本邦成人におけるRey-Osterrieth複雑図形の基準データ―特に年齢の影響について
遅延再生の時間の長さは1時間を超えない限り、全体の再生に影響がないとされている。臨床的には15分の遅延再生が有用でしょうか。
https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/13854049208404119
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感想(1件)
視空間認知機能検査(現在、2種類解説中)
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レーブン色彩マトリックス検査(RCPM)
これは非言語性の視覚性認知検査である。
失語症患者にも適応できる点が利点である。
施工時間は10分から15分と短時間で出来るのもよい点です。
60歳以上の高齢者のカットオフ値は24/25であり、これを境に知能低下の判断をします。(36点満点の検査です)
http://amcor.asahikawa-med.ac.jp/modules/xoonips/download.php/2008078789.pdf?file_id=3331
視覚性の認知検査なんですが、坂爪さんらの論文において、RCPMの課題解決には受動的な視空間認知的処理や構成動作の遂行手順のプログラムよりも、空間の形態をより能動的に構成する過程が必要であるとしています。
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3161813 ←国会図書館から複写してもらってください
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コース立方体組み合わせテスト
広く認知検査を分析する神経心理検査である。車の運転が可能かどうかを判断する材料の一つとしても使用できる。運転可能:93.5以上、運転不可能:82 とされている。この基準値の妥当性は低いのであくまでも参考程度にしてください。
後頭葉背側経路における視空間認知構成や前頭葉におけるメンタルローテーションなどの認知機能としても利用することがある。
コース立方体組み合わせテストの構成活動には①検査に対する意欲 ②積極性 ③予備的視覚的分析 ④見当付け ⑤具体的な空間操作 ⑥構成活動の全般的図式の作成 ⑦自己制御としている(鹿島,1987)。
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行動記憶検査
・リバーミード行動記憶検査(RBMT)
個人的に熱のある検査です。
MMSEやHDS-Rだけでいいのか?
整形外科が中心の回復期リハ病棟など、整形外科疾患+認知機能低下患者にはリバーミードをとってみることも重要ではないでしょうか!
日常生活に似た場面においての記憶を評価する検査法である。所要時間:30分でありスクリーニング検査として有用。歩行が出来、認知機能が低下している高齢者にとっては必要な検査かもしれない。
予定記憶(展望記憶)を評価できる検査です。
この検査の点数と日常生活の機能レベルと関連があることが報告されています。
RBMTの検査項目:
姓名・持ち物・約束・絵・物語・顔写真・道順・用件・見当識
例えば、櫛を預かっておいて後で思い出せるか?や検者と同じような行動ができるか?というような行動などの記憶力を検査するものです。
基準値 合計点:
0-9:重度記憶障害
10-16:中等度の記憶障害
17-21:ボーダーライン
22-24:異常なし
基準値 スクリーニング点:
39歳以下:SP 7/8, SPS 19/20
49-59歳 :SP 7/8, SPS 16/17
60歳以上:SP 5/6, SPS 15/16
カットオフ値 合計点:
健常者 対 アルツハイマー病:13点/14点(感度:98.8%、特異度:95.7%)
健常者 対 軽度認知障害 :16点/17点(感度:100%、特異度:91.7%)
カットオフ値 スクリーニング点:
健常者 対 アルツハイマー病:5点/6点 (感度:97.8%、特異度:95.7%)
健常者 対 軽度認知障害 :6点/7点 (感度:91.7%、特異度:95.8%)
引用文献
https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.11477/mf.1431901355
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrm1963/42/5/42_5_313/_pdf
https://ci.nii.ac.jp/els/contents110001862774.pdf?id=ART0002030005
https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.11477/mf.1406901984
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15785034
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感想(1件)
全般的認知機能検査(現在5種類:詳細を更新中‥)
・Mini-Mental State Examination(MMSE)
簡易的な知能検査です。見当識・記銘・計算・注意把持・構成能力・書字・読解・理解力など評価する。0点から30点満点の検査であり、正常範囲は24点以上(感度81%、特異度89%)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26052687
MMSE:21-23点は軽度、20-11点は中等度、10-0点は重度と判定する。
MMSEに近い検査に、改定長谷川式認知機能検査(HDS-R)がある、この検査も30点満点の検査であるが、20点以下で認知症疑いという解釈である(感度93%、特異度86%)。
https://ci.nii.ac.jp/naid/10011547143 (有料)
しかし、21点以上あってもリバーミード行動記憶検査(RBMT)では記憶障害となる場合がある。
・ウェクスラー成人知能検査第3版(WAIS-Ⅲ)
一般的な知能検査法である。言語理解では、言語的知識・言語的推理、知覚統合では非言語性流動性推理・詳細な部分への注意・視覚運動、作業記憶では短時間情報保持と処理・視覚情報の処理速度能力が測定される。
WAIS-Ⅲの基準値:
IQ69以下:知的障害
IQ70-79:境界域
80-89:平均の下
90-109:平均
110-119:平均の上
120-129:高い
130以上:非常に高い
詳細は以下の参考書でご覧下さい。
https://www.nichibun.co.jp/kensa/detail/wais3.html
・Mini-Cog
この検査は、3語の即時再生と遅延再生と時計描画を組み合わせたスクリーニング検査であり、2点以下が認知症疑いである。
Mini-Cogの認知症に対する感度は76-99 %、特異度は83-93 %である。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=Borson+S++J+Am+Geriatr+Soc+51
この検査の方法と検査用紙
http://mini-cog.com/wp-content/uploads/2018/03/JAPANESE-Standardized-Mini-Cog-1-19-16-JP_v1.pdf
・MoCa-J
Japanese version of MoCAはMoCa-J(モカジェ-)と呼ばれている。
視空間・遂行機能、記銘、記憶、注意力、復唱、語想起、抽象概念、遅延再生、見当識を検査する。MoCa-JはMCI(軽度認知障害)をスクリーニングする検査で25点以下をMCIと判断する(感度93%、特異度87%)。
MoCa-Jの引用文献
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20141536
日本で行われた研究ですが、対象者が少ないです。
アルツハイマー病30人、MCIが30人、正常者が36人ですからね。
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